生き方に迷ったら『書店員X』

2017.07.31 Monday

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    JUGEMテーマ:自分が読んだ本

    発売日には楽天ブックス他諸々通販サイトで書店・本屋ジャンルランキング1位になっていたこちらの本。

    『書店員X』 長江貴士 (中央公論社)

    書店員X 「常識」に殺されない生き方 (中公新書ラクレ) [ 長江貴士 ]

    価格:907円
    (2017/7/31 11:14時点)

    多分全国の書店員がこぞって買ったのだと思います。

    私の職場でも入荷分の7割はスタッフが買っていきました。

    全国的に一大ブームを巻き起こした、カバーがかかって中身が分からない「文庫X」を仕掛けた

    全国でも有名な岩手県盛岡市の書店「さわや書店」の書店員さんの半自伝的な一冊です。

    売り場・仕掛けのノウハウ!という本ではありません。

    どうして仕掛けようと思ったのか。

    どうして全国的にこんなに人気が出たのか。

    という事を、著者の半生を振り返りながら考察するという一冊です。

    ビジネス書というより「生き方」に焦点が当たっていて、

    むしろ書店員よりも、10代の子や学生さんが読むべき一冊じゃないかなぁ、と感じました。

     

     

    あのさわやの書店員の本

    さわや書店といえば、全国でも有数のすごい書店。

    盛岡出身なので、地元の本屋さんという事も何も考えずに使っていましたが、今思えばもったいないことを……。

    でもお客さんとしては何度通っても飽きない素敵な本屋です。

    小さな店でも人文書は素晴らしい揃えでいつもどれを買おうか悩んでしまうし。

    文庫の仕掛けはいつも面白そうだし。

    POPはいつもあちこちにお祭り状態で思わず手に取ってしまうし。

    欲しい本は大抵在庫しているし。

    今はもうなくなってしまいましたが、岩手にアニメイトが上陸するまで、本店隣接でMOMOという漫画・アニメ専門店を展開という充実っぷり。

    懐かしい……漫画もコピックもトーンもアニメ誌もOVAもここで買っていました……お世話になりました……。

    書店員になってから偵察も兼ねて時々買い物に行っていましたが、もう打ちひしがれて帰って来るばかりでした……。

    この本の中でもさわや書店の職場の雰囲気も書かれていますが、現場にとても自由にされてくれる書店のようです。

    最初に私が就職した職場は売り場作りに関してはとても自由でしたが、数字(仕入れ金額、返品率、在庫金額等々)にとても厳しかったのでその点であまりのびのびできなかったなぁと思い出してしまいました。

    本屋さんで働いてみたいな、という人も読んでみると面白いのかなと思います。

     

     

    そもそも「文庫X」とは

    おすすめする理由をびっしりと文字で書かれたカバーのかかった中身の分からない文庫。

    これを「文庫X」と銘打って販売したものでした。

    私の職場では導入できなかったのでお問い合わせが来た時は謝り倒すしかなかったのですが……。

    ちなみに中身はこちら。

     

    殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 (新潮文庫) [ 清水潔 ]

    価格:810円
    (2017/7/31 11:15時点)

    現在、新潮社でも正式にフルカバー帯の柄として採用されて、「文庫X」装丁で販売されています。

    夏の100冊フェアにも含まれていますので、売り場を覗けば簡単に見つかると思います。

     

     

    生きづらさを感じている人に

    著者の長江さんは幼い頃から、なんとなく周りに馴染めなかった、という話を何度もしています。

    私もなかなか学校に馴染めない子どもだったので、小学生の頃から違和感があったという著者の気持ちが何となくわかりました。

    普通でいなきゃいけない。

    でも普通ってなんだ?

    皆がやっていることが普通なのか?

    皆がやっていることを真似することは出来るけど、それを自然にできない自分は普通じゃないの?

    とグルグルする気持ち。

    その上、私は二次元オタクに走り、厨二病も漏れなく発症したので、なかなかの黒歴史でした。

    私は大学生の時に出会った恩師が本当に良くしてくれて。

    そこで「自分はこうしていていいんだな」「そうか、こういう気持ちでいれば自然と溶け込めるのか」とすとんと自分の居場所に落ち着くことが出来て、疎外感というか、そういったものはあまり感じる事が少なくなりました。

    おかげでというか、すんなりと好きな本に関われる仕事に就職してここまで生きてこれたのですが。

    著者は反対に就職活動の始まる大学3年生の頃に半ば引きこもりになってしまったと語っています。

    そこから働くようになって、本をたくさん読んで、いろんな人やものに支えられながら生きてきたと著者は語っています。

    著者の場合は就職活動のタイミングでそういう「世の中に合わせられない自分」にどうしようもなく沈んでしまう時期が来てしまったのだと思いますが、きっとどんな人にもそんな時期があるのだと思います。

    大学受験とか、高校受験とか、引っ越しで学校が変わるとか、失恋するとか、きっかけや理由は人それぞれだと思いますが。

    そういう悩める人に読んでもらうべき本だなと感じました。

    というか、疎外感を感じてうだうだしていたあの中高生の頃、この本に出会いたかったなと思いました。

    そうしたら幾分か心が救われていたかも。

    子どもがもう少し大きく――中学生か高校生くらいがちょうどいいんでしょうか。

    その頃に是非読ませてあげたいなぁと思ったので本棚に大事にしまっておくことにしました。

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